2025.10.29
- サロンワーク
【LIPPS HAIR ACADEMY BLOG vol.4】波巻きパーマ

LIPPS HAIR ACADEMY BLOGとは
MENS/HAIR STYLEでは、日々現場で活躍する美容師の皆様に向けて、トレンドヘアの技術解説やカット理論、スタイリングノウハウをお届けする【LIPPS HAIR ACADEMY BLOGシリーズ】を開始いたしました。
このシリーズでは、LIPPS がLIPPS HAIR ACADEMYにて発信しているメンズヘアのPOINTを少しご紹介していきます。
現場ですぐに活かせる知識を深め、技術向上とお客様へのデザイン提案の幅を広げる一助としてご活用ください。
目次
■LIPPS FADE PERM STYLE|波巻きパーマスタイル
・波巻きパーマとは
・【POINT】特徴とデザインスタイル
・【魅力】波巻きパーマが人気の理由
■波巻きパーマの施術プロセス
・フロントセンター
・サイドアウトライン
・バックアウトライン
・スタイリング
・【POINT】仕上がりの完成度を高める3つのポイント
■まとめ
■LIPPS HAIR ACADEMYとは
LIPPS PERM STYLE|波巻きパーマ
波巻きパーマとは
波巻きパーマは、髪全体に“波”のようなゆるやかなカールをつけ、自然な動きと柔らかい立体感を演出するヘアスタイル。
スパイラルパーマやツイストパーマのような”ねじれ”の強さをつくるのではなく、緩やかな曲線で仕上げることで、ナチュラルで軽やかな印象に整います。
トレンド感と抜け感のバランスが絶妙で、ラフながらも洗練された雰囲気を楽しむことができるスタイルです。
【POINT】特徴とデザインスタイル
特徴
- ゆるやかで柔らかな波状カールにより、髪全体に自然な動きと立体感をプラス
- 顔まわりに自然な流れが生まれ、輪郭をやわらかく引き立てる
- スパイラルやツイストとは異なり、”強い”ねじれ“ではなく緩やかな曲線”でラフな質感を表現
- K-POP風のスタイリッシュな雰囲気から、ストリート系まで幅広くマッチ
デザインスタイル
- ローフェード:耳上または少し下からフェードを開始。控えめでナチュラルなフェードスタイル。
- ミディアム(ミドル)フェード:耳上または耳のラインを基準にフェードを始め、トップとのコントラストを強くするフェードスタイル。
- ハイフェード:高い位置まで刈り上げることで、シャープでアグレッシブな男らしい印象が出るフェードスタイル。
【魅力】波巻きパーマが人気の理由
- 抜け感と柔らかさの両立:ふんわりとしたボリュームと自然なウェーブ感で、力を抜いたようなラフさと上品さを同時に表現できます。
- 立体感のあるシルエット設計:ボリュームのバランスを計算したカール構成により、どの角度から見ても“動き”が感じられるデザインに。
- スタイリングが簡単:乾かすだけでも自然な動きが出やすく、ワックスやオイルを軽く揉み込むだけで完成。朝のセット時間を短縮したい方にもおすすめです。
波巻きパーマの施術プロセス
今回はツーブロックスタイルをベースにカットを行いました。
動画での簡単解説はこちら ⇒ Instagram
フロントセンター

最初に、センターのフロント部分から巻き始めます。
・ロッド幅(=巻くロッドの直径=巻きの大きさ)をイメージしながらフロント〜センターをブロッキングし、巻く範囲と厚みを均一に整えることがポイントです。
・スライス(髪を分け取る厚み)が不均一になると、パーマのかかり具合にムラが出たり、ダメージが強くなったりするため、ブロッキングで「この幅をこの範囲で巻く」という目安を作っていきます。
・スライスごとに巻き方を調整し、毛先の柔らかい自然な動きをつくっていきます。
サイドアウトライン

次に、顔まわりの印象を決めるフロントサイドを巻いていきます。
アウトライン部分は髪が短く動きが出やすいため、ラフに散るようなニュアンスを意識しながら巻くのがポイントです。
自然な流れと軽さを演出し、顔まわりにやわらかい表情をつくります。
バックアウトライン

バック(後ろ)もサイドと同様の流れで巻いていきます。
ネープ(襟足)や後頭部の下部はセンターに近づくほど髪が短くなるため、ロッドをやや細めに変えて巻くことで全体のバランスを整えます。
後ろ姿からも立体感を感じられるように仕上げていくのがポイントです。

⇑ 巻き終わりの状態がこちら。
全体の動きや立体感を確認し、必要に応じて調整を行いましょう。
スタイリング
ドライ前にスタイリング剤を全体に薄くなじませ、ツヤとウェーブ感を引き出していきます。

前髪は根元が割れないよう、毛先を中心に軽くつけるのがコツ。
パーマの質感を根元からしっかり感じられるよう、スタイリング剤は全体に薄く、まんべんなくなじませていきます。

ドライヤーは弱風・手は優しく添えるようにして、ウェーブを伸ばさないようにドライしていきます。
8〜9割ほど乾いた段階で再度スタイリング剤を重ねて形と質感を整えます。

仕上げにはグロスムーブを使用し、ツヤとウェット感をプラス。
毛先に動きを出しながら、フォワード・リバース方向に自然な束感を微調整していきます。
根元はつけすぎず、毛先中心にツヤを出すことで軽やかな仕上がりに。

バックは毛先にウェットグロスな質感を残しつつも束を軽くほぐし、ラフで立体的なフォルムに整えます。

全体のシルエットが横に広がりすぎないよう、根元の立ち上がりとサイドの締まりを意識してバランスよくまとめていきます。
⇓ 仕上がりイメージはこちら

【POINT】仕上がりの完成度を高める3つのポイント
S字の波を重ねて立体感を形成
平面的に重なるS状のウェーブが、柔らかいフォルムと自然な動きを生み出します。
ロッドコントロールでシルエットを最適化
髪の長さに応じてロッド径や波打ち数を変えることで、フォルムの収まりが格段にアップ。
内巻き×外巻きMIXで質感をプラス
毛先に内・外巻きを織り交ぜることで、抜け感のあるラフな仕上がりを実現します。
まとめ
波巻きパーマは、一見シンプルなカール構成に見えても、ロッドの選定・角度・スライス幅・巻き終わりのニュアンスといった細部の積み重ねで仕上がりが大きく変わる繊細なパーマ。
S字状の波を丁寧に重ね、髪の長さや質感に合わせてコントロールすることで、自然で柔らかな動きを表現することができます。
今回はツーブロックスタイルをベースにカットを行い、顔まわりやサイドのラインをしっかり整えることで、全体のフォルムバランスを安定させました。
このベース設計により、パーマ後の動きや束感がより引き立ち、波巻きの立体感を最大限に活かすことができます。
理論を理解し、手を動かして丁寧に巻くことで、柔らかくナチュラルな波の動きが再現できます。
さあ、あなたもこの波巻きパーマの技術をマスターして、自分だけのナチュラルで立体的なスタイルを生み出してみませんか?
LIPPS HAIR ACADEMYとは
社員教育を一新。アカデミー制度、始動。
LIPPSは2015年から、「LIPPS HAIR ACADEMY 」という独自のプログラムで社員教育を行っています。
LIPPS HAIR ACADEMYでは週1回講習日を設けており、アシスタント業務を集中して効率良く学ぶことができるようになりました。
FRAME CUTやその他の似合わせの技術は、サロンでの練習と併せて、LIPPS HAIR ACADEMYの講習でも実施。デザイナー(スタイリスト)昇格後も、課題に合わせて講習を受けることができます。
LIPPS HAIR ACADEMYの講師は、LIPPSを代表するスタイリストが担当。少数精鋭なので、技術からデザインまで、きめ細かく学ぶことができます。
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